治療案内
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口唇・舌トレーニング

文責:柴口竜也,布袋裕美

口唇の力を強くし、舌の正しい位置を獲得しましょう!
(口呼吸と舌の悪習癖を改善しましょう!)

初めて訪れた矯正歯科で、歯を動かすより先に、『口唇の筋トレをしてください』と言われたら、あなたはどう思われますか?実は、歯並びや歯を支えている骨の形態を治そうとすれば、まず歯の矯正をするよりも、口唇の筋肉を鍛えたり、舌の正しい位置覚えてもらったりすることの方がむしろ先決である場合が多くあります。硬組織(歯・骨)と軟組織(口唇・舌)との密接な関連性についてお話しすると、皆さん決まって、意外だとか全く知らなかったという感想を持たれます。口唇や舌に問題がある場合には必ず不正咬合があると言っても過言ではありません。

全世界で200万症例以上の実績

私たちの歯の並ぶ位置はどのように決まっているのでしょうか?歯列の内側には舌があり外側には口唇や頬がありますが、歯は舌と口唇(頬)の中間の、内外からの力の釣り合いがとれたところに並ぶようになっています(図1)。この力の釣り合いが一方に偏っている場合、歯並びは不正になってしまいます。例えば、いつもお口がポカンと開いている人に出っ歯の人が多いと思ったことはありませんか?口唇は本来、歯が前方に飛び出すのを防いでいるのですが、口唇の力が弱く締まりが悪くなると、歯は舌に押されるがままになり、だんだん飛び出してきます。いったん歯が飛び出すと、口唇を閉められなくなるので、ますます歯は飛び出てくるという悪循環におちいります。

また、口唇の力が弱い人は、いつも口がポカンと開いており、たいてい口呼吸をしています。本来、人は鼻呼吸をするのが正常なのですが、口呼吸すると汚れた空気を直接のどから取り込むため、扁桃腺が腫れたり、すぐに風邪を引いたりします。つまり、正しく口を閉じて鼻呼吸することが、歯並びだけでなく身体の健康にとってとても大事なのです。

舌の位置によっても歯並びは影響を受けます。つばを飲み込んだり、おしゃべりしたりするときに、上下の歯の間から舌が出てくる人がいますが、実はこれは不正咬合を引き起こすとても厄介な悪習癖です。これが原因で、開咬と呼ばれる、奥歯で咬んだときに前歯が全く咬み合わないような状態になります。また、舌の位置が低すぎても問題になります。舌が平坦で低い位置にあり、先端が下顎前歯の裏側にあるような場合、上顎前歯より下顎前歯が突出し、上下の前歯の関係が正常な状態とは逆になってしまいます。この不正咬合は反対咬合と呼ばれます。

それでは、正しい舌の位置とはどこにあるのでしょうか?

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お口の中の天井部分を口蓋というのですが、正しい舌はしっかりと持ち上がっており、その先端が上顎前歯の裏側あたり(歯に触らない程度のところ)の口蓋としっかり接触するようになっています(図2は横から見た顔の断面図です。図2-AとBの違いをしっかりと確認し、正しい舌尖の位置を覚えて下さい!)。舌がこの正しい位置にあると、歯列に悪影響を及ぼさないだけでなく、口から息を吸い込むことができませんので自然と鼻呼吸になります。

口呼吸や舌の悪習癖は歯列だけでなく、顔や顎の骨の成長発育にも悪影響を及ぼします。顔がだんだんと縦に長くなったり、下顎が後退したり、鼻を含んだ中顔面の前方成長が抑制されたりと、顔の印象が良くない方へ変化していきます。骨格への悪影響を残さないためには、身体の成長があるうちに口呼吸と舌の悪習癖を止めてしまうことが重要になります。

口唇と舌が、歯の並ぶ位置や顔面骨格の成長に密接に関係し、また鼻呼吸を獲得する上でとても重要である事をお話ししましたが、口唇と舌はバラバラに働いているのでしょうか?実は、口唇と舌の運動は明らかな協調関係にあります。口唇の力が弱くなると、その周囲の筋肉のバランスが崩れて、舌を支える筋肉も緩んできます。その結果、舌の位置も下がってしまいますので、口が閉じにくくポカンと開いてきます。したがって、口唇と舌の両方を鍛えることが重要で、また相乗効果も期待できます。

以上より、口唇をしっかりと閉じ、それと同時に、舌が持ち上がって口蓋の正しい位置に触れていることが、正しい歯列や顔面の形成上、そして鼻呼吸の獲得上とても重要であります。また、口呼吸や舌の悪習癖が歯列不正の原因になっているということは、この原因が除去されない限り、歯並びの改善が難しく、また、何とか治ってもすぐに再発する可能性が非常に高いということを意味しています。

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  • 舌小帯(舌の裏側のすじ)が短い場合、訓練しても舌が口蓋へ触れません。そのような場合は、あらかじめ切離する手術が必要になります。
  • 口蓋扁桃やアデノイドの肥大、慢性鼻炎なども口呼吸の原因となります。そのような場合、耳鼻咽喉科に掛かられることをお勧めいたします。
  • 口唇と舌を鍛えると、歯並びや顔面に良い影響を与えたり、鼻呼吸を促したりしますが、それ以外にも驚くべき効果があります。
  • 唾液の分泌を促進
  • いびきの改善
  • 虫歯の予防
  • 睡眠時無呼吸の改善
  • 歯周病の予防と改善
  • アレルギー性疾患の改善
  • 口臭の予防
  • 血圧の正常化
  • 顔全体の引き締め
    (小顔になり、二重顎も改善!)

口唇と舌の訓練は継続が命です。筋肉は使わないと衰えていくものですので、訓練を継続しないと効果も持続しません。
小顔になるのを励みに頑張ってみませんか。

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トレーニング方法

不正咬合の程度によって口唇トレーニング、舌トレーニングが必要です。トレーニングは、実際に、スタッフと練習しないと習得は難しいですが、次に、当院でのトレーニングの抜粋をまとめております。
頑張って、すっきり横顔を目指しましょう。

A. 口唇トレーニング

  • トレーニング前
  • トレーニング後

特にデーモンブラケットで治療中、あるいは治療予定の患者さんに効果的です。
写真は、矯正治療も合わせて行っておりますが、トレーニング前後の比較です。
口元の締まった様子が分かっていただけると思います。

【方法】

口を少し開け上下の口唇で前歯を覆うように伸ばし「パン!」と音を鳴らします。
力を抜いて少し休み、もう一度伸ばして「パン!」これを繰り返します。
20~30回/1セット、1日3セット、トレーニングしましょう。

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B. 舌(タング)トレーニング

舌癖のある患者さん、鼻呼吸のできない患者さんに必須です。
写真は、矯正治療も合わせて行っておりますが、トレーニング前後の比較です。

  • トレーニング前
  • トレーニング後

【方法】

タングトレーニングでは、安静時や嚥下時に舌尖がふれる位置(口蓋の切歯乳頭後方部)をスポットと名付けています

舌尖をスポットに付け舌全体を口蓋に吸い上げる。お口を大きく開けて、舌小帯をできるだけ伸ばす。
舌で口蓋をはじくようにして「ポン」と音を立てます。これを10~15回/1セット、1日3回を目安にトレーニングしましょう。

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C. ガムチューイング

舌をスポットで安定させ、矯正治療中のかみ合わせを安定させるためのトレーニングです。

【方法】

ガムを意識して奥歯で咬んでください。
(ガムが前に出てこないように注意)
唾液が出てきたら、奥歯を咬んで唾液を飲み込んでください。
(ガムは、装置に付きにくい‘クロレッツXPキシリトール入り’をおすすめしております)

ガムを咬んだ後、舌を持ち上げ口蓋に吸い上げて広い範囲にガムをひろげます。
できるだけ広い範囲にガムをひろげます。

その後、口蓋についたガムがずれないように舌を持ち上げたまま奥歯を咬んで、舌の奥を意識して動かして唾液を飲み込んでください。
これを、1日に2~3回行ってください。

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