矯正歯科治療Q&A

矯正を始める前に

歯並びが悪いとどうなるの?

歯並びが悪いと、虫歯や歯周病にかかりやすく、発音が不明瞭であったり、食べ物がよく噛めなかったりします。
また、歯並びの悪さが劣等感につながるといった精神的な面も見逃せません。

矯正治療はいつ頃開始すればいいの?

歯並びの状態は、歯の生え方や、あごの骨格的問題の組み合わせにより、人によって異なりますので、一概にはいつ頃がよいとは言えませんが、気がつかれたらなるべく早めに矯正専門医に相談し、最良の時期に治療を開始されることをお勧めいたします。受け口や開咬など、骨格上の不正がある場合には、小学校低学年であっても治療が必要な方もいらっしゃいます。また、「歯を抜かないで」の矯正治療をお考えの場合も、早い目(小学校3~4年生ごろ)の開始が望ましいです。

治療期間はどのくらいかかるの?

本格的な矯正の治療期間は、症状や治療方法により個人差がありますが、通常は1年半~2年半ほどかかります。
また、お子様の場合には本格的な矯正に先立って、骨格の不正を改善するために2~3年の前期治療を必要とすることがあります。また、歯を動かしても、歯は元の状態に戻ろうとするので、1~2年ほどは歯並びを保持,安定させる必要があります。詳しい治療期間や治療方法は、精密検査を行った後、診断時に決定させていただきます。

歯を抜いて矯正することがあるの?

歯並びは、歯の大きさとあごの骨の大きさとのバランスで決まります。成長期のお子様の場合、歯を抜かないでも、このバランスを良い方向に整えることが可能である場合が多いです。しかし、お子様であっても、歯が大きすぎる場合や、あごが小さすぎる場合には、全ての歯がきれいに並びません。そのような場合には、歯を抜いて、残りの歯の並びを整えることがあります。また、口もとが突き出ている場合も、お顔立ちを整えるために、その対象となることがあります。成人の方の場合には、あごの骨の成長が止まっているため、どうしても歯を抜歯する可能性が高くなります。

歯を抜いて矯正治療をしても大丈夫?

かみ合わせの程度によっては、歯を抜いて矯正治療をお勧めすることがあります。たとえ歯を抜いて矯正治療をされても、矯正治療後に正しいかみ合わせが確立されていれば問題はなく、残った永久歯をより長期にわたって良い状態で保つことができます。もちろん、そのような判断ができない場合は、当院では「抜歯」をお勧めいたしません。

削って歯を並べることと矯正とはどうちがうの?

基本的に、矯正治療では、削らずに歯を正しい位置に並べることが可能です。この場合、お顔立ちも含めてのバランスを考えて治療いたします。削ってさし歯にすると、短期間に歯並びを変えることは可能ですが、お顔立ちまで考慮した治療が難しい場合が多いのです。

矯正治療をすると顔つきまできれいになるって本当なの?

例えば、前歯が出ているような場合、矯正治療によって前歯の位置が後退することで、口元も後ろへ下がります。

また、開いていた口が自然に閉じられるようになります。そうすると、顔つきまでとてもきれいになります。 また、良く噛めるようになるため、お口の周りの筋肉をよく使うようになりますので、顔が引き締まってきます。さらに、自信を持って笑うことが出来るようになるため、笑顔がとても素敵になります。

一部分だけでも矯正できるの?

部分的に矯正治療をすることは、可能な場合もあります。しかし、かみ合わせと言うものは、上下すべての歯の位置関係で成り立っているものですので、気になっている一部分だけを治そうと思っても、上下すべての歯を動かす治療が必要な場合もあります。

すでに歯が無いところがあっても矯正できるの?

すでに歯が無いところがあっても、多くの場合は、良い歯並びとかみ合わせを得ることが出来ます。歯が無い部分のすき間に関しては、矯正治療によって閉じられることもありますし、矯正治療後に、ブリッジ(失われた歯の両隣の歯を支えにした橋渡し)にしたりすることもあります。

セラミックの歯やブリッジ、神経を抜いた歯があっても矯正できるの?

いずれの場合でも、矯正治療は可能です。ただし、セラミックなどの差し歯の場合は、矯正治療前の歯並びに合わせて作ってありますので、矯正治療後に作り直す場合もあります。ブリッジ(失われた歯の両隣の歯を支えにした橋渡し)の場合には、橋渡しの部分を切断してできたスペースを利用して治療する場合があります。この場合には、矯正治療後にブリッジや冠の作り直しが必要になります。

むし歯や歯周病にかかっていても、矯正できるの?

基本的に、むし歯や歯周病がある場合には、先に必要な治療を済ませてから矯正治療を開始します。

ただし、虫歯の歯を優先的に抜歯して矯正をする場合もありますし、虫歯の程度、部位によっては、矯正治療をしながら処置した方が望ましいこともあります。まずは、矯正主治医にご相談ください。

矯正治療は痛いの?

歯を動かすために加える力は非常に弱いものですが、歯には動揺が生じます。そのため、個人差はありますが、数日間、歯が浮いたような感じがあったり、噛むと痛いといった症状が現れたりすることがあります。しかし、虫歯のような強い痛みではありません。歯の浮いたような感じは、歯が動いているサインですから、まったくご心配はいりません。また、装置の違和感に慣れるのには1~2週間程かかりますが、治療が進むにつれて、この感覚も和らいできます。

矯正治療には、どのような装置があるの?

お子様に使用する装置には、「固定式」タイプ・「取りはずし式」タイプ・「家でだけ使う」タイプと種々ございます。
「床矯正」にも対応しております。ただし、「床矯正」だけでの治療結果には限界があり、当院では「奥歯に隙間を作る装置」、「あごを大きくする装置」等のより高度な装置を使用することにより、従来よりも「歯を抜かない」で矯正治療を行うことが可能となっております。
患者さんのご年令やお口の中の状態に配慮し、ご相談させていただいた上で装置を決めたいと思います。

当院では、患者さんご本人の意思に反する装置は使用いたしません。
永久歯列での矯正装置についても、「透明な装置」・「裏側からの装置」など、各種ご選択いただけます。
「裏側からの見えない装置」で治療をさせていただいた患者さんも多数になり、どの装置を選択していただいても、ご納得いただける治療を提供いたしております。

治療中

来院間隔は?

歯を動かしている間は通常、3~5週間に1度のご来院となります。これ以上、頻繁にご来院されても歯は逆に動かなくなることもあり、治療期間が短くなることはありません。また、歯を動かし終わった後に歯並びを保持・安定させる期間(保定期間)中は3~4か月に1度のご来院となります。

1回の治療時間はどのくらいかかるの?

1回の治療時間は、およそ30分間位です。ただし、装置がはずれていたり、壊れていたりする場合はもう少しお時間がかかります。また、裏側の装置の場合は、外側に装置をつけた場合より少しお時間がかかります。
(~60分間ほどです)

治療途中で妊娠しても大丈夫?

妊娠していても、歯の移動に問題が生じることはありませんので、矯正治療は可能です。レントゲン撮影に関してですが、通常、矯正治療がスタートすると特別な場合を除き、レントゲンを撮る機会は少なく、また妊娠中にレントゲンを撮ることはございませんので、ご安心ください。注意点といたしましては、妊娠中は歯肉炎になりやすい為今まで以上に歯磨きを頑張って清潔な状態を保っていただくことが必要です。

何か特別な日に一日だけ装置をはずしたりできるの?

矯正治療の進行状況にもよりますが、結婚式や発表会、写真撮影などといった何か特別な日の直前に装置をはずすことは可能です。詳しくはご相談させていただきますので、お申し出ください。なお、装置をはずす際と再装着する際には、その都度、診察料の¥5,250-(消費税込)が必要となります。

ただし、エッジワイズ装置の場合は、はずす際と再装着する際、それぞれの診察料¥5,250-(消費税込)の他に、再装着費用として別途¥52,500-(消費税込)が必要となります。

途中で転勤があるかもしれないのですが、その場合は?

矯正治療は終了するまでに長い期間を要しますので、治療途中で転勤・引越しになってしまい、当院への通院が困難になってしまうこともございます。その場合は引っ越し先の近くにある矯正歯科をご紹介させていただきます。

また、当院での診療内容を転医資料としてお渡しいたしますので、転居先での治療がスムーズに継続できるように配慮させていただきます。当院での治療費に関しては、治療の進行状況に見合った分だけ納めていただきます。

詳しくはご相談くださいませ。また、転医先での新たな治療費については、地域間での格差や、各医院での方針があるかと思いますので、転医先でよくご相談していただければと思います。

食事や歯ブラシは普通に出来るの?

ほとんど問題ありませんが、硬いものを噛んだり、前歯で引きちぎったりするような食べ方をされた場合、固定式の装置がはずれてしまうことがあります。また、ガム・キャラメルなどの粘着性のあるものも極力避けていただく方が良いです。虫歯になるリスクを低くするため、甘い飲食物もできるだけ避けてください。矯正装置をつけると歯みがきがしにくくなりますので、今までより一層、ブラッシングをしっかりなさってください。歯ブラシの仕方については、こちらで丁寧に指導いたします。

スポーツは普通にして大丈夫なの?

一般的なスポーツ(サッカー、バスケットボールなど)の場合、特に危険はありません。ただ、直接、口に打撃が加えられる可能性のあるスポーツ(格闘技など)の場合、矯正装置で口の中をけがしないよう、注意が必要です。

場合によっては、専用のマウスピースでカバーすることがあります。

吹奏楽(楽器を吹くこと)は矯正中に出来るの?

吹奏楽では、どの楽器を吹いても唇に力が入ります。そうすると、唇の裏側が装置に当たって痛みが出ることもあります。それを我慢して吹くことは可能かもしれませんが、以前と同じように奏でることは難しいかもしれません。
そのため、多少のハンディーはありますが、通常のクラブ活動であれば差し支えはないと思われます。
ただしソロ活動をされる方は、その点を十分ご考慮してください。また、常に歯でくわえたりしている楽器の場合も、治療中には、歯の動きに多少影響がでることがあるかもしれません。

裏側矯正について

裏側矯正のメリット、デメリットは?

裏側矯正の最大のメリットは目立たないことでしょう。デメリットはコスト的に割高になってしまうことや、装置をつけた当初、話し辛く違和感が大きいなどの問題が挙げられます。目立たないことを重視されている場合には、表側から矯正した場合でも、審美的に優れた半透明や白色の装置をご選択していただくことも可能です。

当院では、全ての装置を実際にご覧いただき、その特徴・メリット・デメリットを事前にご説明させていただきます。

裏側からの矯正だと表側矯正より時間が長くかかるの?

裏側からの矯正治療の場合は、表側からの矯正に比べて治療期間が若干長くなる傾向があります。

治療後

治療が終了した後に歯並びが戻ってしまうことはあるの?

歯を動かした後、装置をはずしてそのままにした場合に、歯の位置がいくぶん元に戻ってしまうことがあります。

それを防ぐため、当院では装置をはずした当日に必ず、治した歯並びやかみ合わせを維持するための装置(リテーナー・保定装置)を装着します。リテーナーには、自分で取りはずしができるタイプと、歯の裏側に直接接着する固定式があります。どちらを装着するかは、治療前の歯並びの状態や、治療後の咬み合わせの状態、患者さんのご希望により相談してお決めいたします。

その他

適切な治療費なのかはどう判断するの?

大学病院などの公共機関の設定する料金設定、及び料金体系がひとつの目安になろうかと思います。
当院の料金体系は、国立大学病院とは若干違いますが、治療費総額は、国立大学病院よりも安いものになっております。

保険は使えるの?

当院では、先天性口唇裂・口蓋裂に起因する咬合異常は、健康保険が適用されますが、それ以外の矯正治療には健康保険は適用されておりませんので、ほとんどの場合は自費診療となります。

医療費控除の対象となるの?

発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正のように、歯列矯正を受ける人の年齢や矯正の目的などからみて、歯列矯正が必要と認められる場合の費用は、医療費控除の対象になります。

しかし同じ歯列矯正でも、容貌を美化したりするなどのための費用は、医療費控除の対象になりません。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1128.htm より引用)

成人の方の場合であっても、歯並びが咀嚼障害の原因になっていると診断された場合などは、医療費控除の対象となるようです。当院では、患者さんが出来るだけスムーズに医療費控除を受けていただけるように、無料で診断書を作成いたしておりますので、ご遠慮なくお申し出いただければと思います。

歯並びは遺伝するって本当?

歯並びが遺伝する可能性は十分に考えられます。しかし、それだけではありません。生活環境による影響のほうが大きく関わっている場合もございます。

口を大きくあける時、カクッと音がして耳が痛いのですが顎関節症なのでしょうか?
歯並びと関係はあるの?

顎関節の痛みや、関節の雑音,あごの動きの異常を示している場合、いわゆる顎関節症だと思われます。

顎関節症は、複数の誘因があった場合に発症すると考えられています。悪い歯並びは顎関節症の誘因の1つとされていますが、必ずしもこれだけで顎関節症が起こるわけではありません。当院では、顎関節の断層レントゲン撮影や、あごのズレを計測するなど精密に検査いたしております。これらの結果も十分に考慮して診断いたしておりますので、安心して矯正治療をお受けいただけます。

かみ合わせや歯並びが悪いとからだの健康にも悪い影響があるの?

かみ合わせが悪いために、あごの運動に異常が生じる場合があります。すると、あごの運動に関係する筋肉や神経のバランスが悪くなります。一部の頭痛、肩こりなどはそれが原因なのかもしれません。ただし、その影響が全身的な不調和となって現れる可能性は低いと考えております。

レントゲン撮影によって体はどれくらいの影響を受けるの?

歯科用のレントゲン撮影に使われる放射線量は極めて少量ですので、これによって身体が悪影響を受けることはほとんどありません。天気の良い日に一日中、外にいた場合と同じくらいなのです。さらに、患者さんには感受性の強い体の部分に放射線が直接当たらない様に、放射線を遮断する鉛入りの防護エプロンを着用していただいて撮影しております。また、放射線の照射量を減らすために、当院ではレントゲンのデジタル化を行っており、被曝量を通常の1/2~1/5に低減させております。どうぞご安心くださいませ。

矯正治療をするにあたっての心構えは?

矯正治療は患者さんにとっても矯正医にとっても決して安易なものではありません。良い治療結果を得るためには、患者さんの協力無くしては成り立ちません。これを機会に、自分の歯の大切さを知っていただいて、ぜひ一緒に頑張って行きましょう。

お問合せ・ご予約はお気軽に072-237-3739
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