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矯正歯科通信

矯正歯科通信 No.1

不正咬合(出っ歯・上顎前突)はなぜ起こる?

「噛み合わせが悪くなるのはどうしてでしょうか?」たいへんよく聞かれる疑問です。悪い噛み合わせ、すなわち不正咬合には、出っ歯、受け口、乱ぐい歯などがありますが、 出っ歯を例に取ってその成り立ちからお話ししましょう。

上あごの骨が大きいか、下ごの骨が小さければ出っ歯になります。これは骨格的な要因で出っ歯になった場合であり、遺伝性が感じられます。歯の大きさや生まれつき歯数が多かったり少なかったりするのも、遺伝性が強く表れます。歯だけが飛び出した出っ歯は、指しゃぶりのような後天的な要因が考えられます。他に、不正咬合を引き起こす後天的要因としては、虫歯、爪かみなどの悪い癖、鼻、のどの病気、あごの怪我などがあげられます。

このように不正咬合の成り立ちは骨格に起因する場合と歯に起因する場合に大別され、またその原因も先天性(遺伝性)と後天性に分けられます。当然タイプによって治療法は違ってきますので、治療前に詳しい検査が必要です。

そして現在はその治療法に応じた目立ちにくい装置や表から見えない装置も開発されています。

【写真の説明】
歯を抜かないでも前に出ていた上顎前歯が後ろに下がり、口元の突出感も解消しました。
このように成長期のお子さまには、非抜歯での矯正治療が可能な場合が多くございます。

矯正歯科通信 No.2

非抜歯矯正について

歯列矯正というと、「歯を抜いて治療する」とばかり思われていませんか?

確かに、多くの矯正医が、およそ70%の患者さんの第一小臼歯(前から数えて4番目で、犬歯のすぐ後ろの歯)4本を抜歯して治療を行っています。しかしその一方、『歯を抜かない(非抜歯)矯正治療』という言葉を、皆さんもきっと一度は耳にされたことがあると思います。
あご(顎)の骨をベンチに、歯を人にたとえた場合、歯並びの不正は6人用ベンチに7~8人が座ろうとして無理をしている状態です。
ベンチがもっと大きければ全員が座れるはずです。成長期のお子様では、歯を抜かないでも、全ての歯が並ぶようにスペースを作ることができる場合が多くあります。そのためには、顎の成長を考慮しながら「奥歯に隙間を作る装置」、「顎を大きくする装置」等を使用して、歯列の縦、及び横への拡大という3次元的な改善を行います。

最近では、成人でも歯列を拡大する可能性がある装置も開発されるなど、ますます非抜歯治療の範囲が広がっています。
ただし、口元や咬合の状態により歯を抜くかどうか総合的に判断しますので、全ての患者さんが非抜歯で治療できるわけではありません。

【写真の説明】
上下顎前歯が不揃いでしたが、非抜歯矯正治療により綺麗な歯並びになりました。

矯正歯科通信 No.3

表から見えない矯正治療について

歯並びを治す目的として、見た目を良くしたいということを一番に考えられている患者さんにとって、表側から見えてしまう矯正装置はどうもイメージが悪く、抵抗があるといった方は大勢いらっしゃると思います。

また、人に分からないように治したいという希望もあるでしょう。昔の矯正装置に比べて、現在の矯正装置は小型化されており、また、材質的にも、半透明・白色の装置が一般的になってきましたので、審美的にかなり改良されてきました。

しかし、表側から装着するからには、全く見えないようにすることはできません。そこで、裏側から矯正治療ができないでしょうか?と患者さんよりたびたび尋ねられます。裏側(舌側)矯正は、表側からの矯正に比べて普及していないものの、日本を含めたアジアでよく使用されています。『全く見えない』といった嬉しいメリットがある一方、「話しづらい」「治療期間が少し延びる」「費用が高い」といったデメリットもあります。

ごく最近では、舌側矯正装置も小型化され、また、歯の移動もスムーズに行われるようになってきましたので、これらのデメリットも改善されつつあります。

【写真の説明】
左側は表側から装着する半透明の矯正装置です。右側は裏側から装着する矯正装置です。裏側の矯正装置は、表から全く見えません。

矯正歯科通信 No.4

最新の矯正治療であるデーモンシステムについて(1)

矯正治療を始めるにあたって、「痛いのでは?」「装置が目立つのでは?」といった悩みが多いと思われます。目立つことについては、前回の”見えない裏側矯正”でお話ししました。

今回は、痛いのではという問題に対する解決法として、『デーモンシステム』についてお話ししましょう。デーモンシステムはアメリカの矯正医であるデーモン先生が考案された最新の矯正治療システムです。

上下すべての歯に接着する装置をブラケットと言いますが、従来の装置ではブラケットとワイヤーをゴムでしっかりとくくりつけることにより矯正を行います。そのため摩擦力が大きく、歯にかかる力も大きくなってしまいます。それに対して、デーモンシステムでは、ブラケット自体に付属するシャッターを閉じることにより、強くくくりつけることなくワイヤーをセットしますので、歯にかかる摩擦力が大幅に減少しました。歯にかかる力が弱くなれば、当然痛みも少なくなります。

個人差はありますが、「ほとんど痛くない」と言われる患者さんも増えてきました。それ以外にも多くのメリットがありますので、次回もデーモンシステムについてお話させていただきます。また、欠点があるのかについてもご説明します。

矯正歯科通信 No.5

最新の矯正治療であるデーモンシステムについて(2)

前回ご紹介したデーモンシステムは、『痛くない・期間が短い』ということで注目を集めている最新の矯正治療法です。従来の装置と違い、この方法では装置とワイヤーを縛り付けないため、非常に緩い力で歯を動かすことができます。また、患者さんの持っている口唇や頬の力を最大限に利用するため、各人にあった無理のない治療が可能になりました。多くのメリットがありますので、それらを列挙しますと次のとおりとなります。

  1. 痛みが少なく、快適である
  2. 清掃しやすい
  3. アポイントメントの間隔が長くなる
  4. 治療期間が短縮される
  5. 治療時間(チェアータイム)が短くなる
  6. 非抜歯治療の可能性が高まる
  7. 急速拡大装置などの舌側装置を使わない
  8. 患者さんごとの生理的にあった治療である
  9. 歯周組織が健康になる
  10. 歯への負担が少ない

一方、デメリットはというと少し目立つことです。それはデーモン・ブラケットのシャッターの部分が金属でできているからです。見た目さえ我慢できれば、現在ある矯正法の中で最良の一つであることは間違いないでしょう。最近は機能を重視される方が多いようでデーモンシステムを選択される患者さんが増えてきています。

【写真の説明】
前から見ると半分以上が金属です。見た目は半透明のセラミックの装置に比べ劣りますが、機能的には大変優れています。

矯正歯科通信 No.6

最新矯正歯科通信まとめ

近年、歯の大きい人が増えており、栄養状態が良いのが影響していると言わ れています。それに比べて軟らかい物しか食べなくなったため顎の発育が悪 く、ますます歯並びが悪い人が増えています。そのため歯列矯正を必要とす る人が増えてきているのですが、治療に踏み出すためにはクリアしなければ ならないハードルがいくつかあるようです。

例えば、「歯を抜きたくない」、「装置が目立つのでは」、「痛いのでは」、などが患者さんにとって大きな悩みのようです。しかし、最近の矯正装置の進 化はめざましく、様々なご要望にお応えできる可能性も高くなりました。

歯を抜かないためには、成長期である小学校高学年までに歯列を拡大する治 療を受けられることをお勧めいたしますが、大人であっても顎を拡大する可 能性のある装置も登場し、非抜歯で治療できる場合が増えています。また、 装置が目立つのが気になる場合には、裏側からする矯正治療もあります。痛 みに関しても、従来より弱い力で歯を動かす治療法(デーモンシステム)が 登場し、あまり痛くなくなってきました。このように乗り越えるべきハードルは低くなりつつありますので、是非治療に踏み出して頂きたいと思います。

矯正歯科通信の連載は今回で最後になりますが、また矯正治療の技術革新が ありましたら紹介させていただこうと思います。

【写真の説明】
歯列(顎)の拡大ができれば、歯を抜かなくても綺麗な歯並びになります。